桁丈は、後ろ首の付け根の中心から肩先を通り、手首の突き出た骨までの長さのことをいいます。こちらは、「実寸+2〜4cm」程度の長さでサイズを選びましょう。腕を自由に動かすには余裕が必要ですし、素材が綿100%などの場合は、クリーニングで多少の縮みがあることを考慮に入れる必要があります。それらを考えた長さが「実寸+2〜4cm」なのです。桁丈が少し長めであってもシャツの袖口のボタンで調節できるので問題はありません。あなたは自分のシャツのジャストサイズをご存知でしょうか。ご自宅で誰かに洲ってもらうということでも良いのですが、やはり慣れている人に測ってもらったほうが間違いがありません。今度シャツを扱っているお店に行ったときには、たとえ買うのでなくても測ってもらいましょう。そして、素材や縫製など、ちょっとした差でサイズや着心地は変わってくるものです。収入の際にはできる限り試着が可能なお店で購入してください。既製のサイズで合わない方は、シャツのオーダーもお薦めです。細かい採寸をしてくれて、生地はもちろん、襟型・カフスの型・胴体のシルエットーボタンなどを選ぶことができます。価格も既製品と変わらない価格からありますので、ジャストサイズを知るためにもお薦めです。
スパンコールなどという派手で艶やかな素材、モスグリーンという渋い色が救い、素材違いのオーガンジーが深みを作って、と計算されたおしゃれになっていた。確かスカートは黒だと思った。こんなふうに派手さを前面に押し出さず、それでいて華やかで上等、というイメージが、落ち着いた年齢のフォーマルかもしれない。フォーマルだから、と急に舞い上がり、日頃の個性が失われないように。きっとそんな衣装の自分が落ち着かなくて、その集まりや会が快いものとならないはず。人はこんなにもそれぞれが個性的に装っている時代である。フォーマルだから、というと急に視界が狭くなるのも変な話。もっと自由に、もっと素敵な服探しをしたいものです。
衣服二千年の歴史を扱うオーソドックスな服飾史の本においては、「男性による偉大なる放棄」神話が長い間、信じられていた(今も一部で健在である)。これは、二十世紀初頭の男性服改革党の支援者でもあったブリューゲル博士が述べた説で、すなわち、モダン・スーツが完成した一八五〇年頃以降、男はくるくる変化する「ファッション」の楽しみをすべて放棄してこれを女性に委ね、自らは常に変わらぬ暗色スーツをまとってビジネスに専念するようになった、という神話である。たしかに巨視的にみれば、この神話は間違いとも言い切れないように見える。しかし、ロンドンのジャーミンーストリート近辺に立ち並ぶシャツ、ネクタイ、カフスなどのアクセサリー、喫煙小物、傘やステッキ、バッグや財布小物などの「紳士の小道具」専門店が、まさしくスーツ完成以降の十九世紀後半に次々と創業し、しかも現代に至るまで世界中のお洒落な男性を顧客にしつづけて繁盛しているというこの現象はいったい何だろう。女性ファッションのようにシステムを総とりかえしないので目立ちにくいが、実はメンズ・スーツのシステムにまともに関わり出したら、おそらく女性服以上に奥が深い(=金がかかる)道楽になるのではないか。